吸血鬼(Vampire)。
彼らはマジック・ザ・ギャザリングの初期から存在する部族で、人間の血を啜る怪物。今回ご紹介するのは、基本セット2021で収録された禍々しい赤い手を持つ吸血鬼《薄暮薔薇の棘、ヴィト》。
ヴィトは、回復した点数分対戦相手一人のライフを失わせるといった効果を持つ、ライフゲイン統率者の中でも凶暴な1枚です。
ということで今回は《薄暮薔薇の棘、ヴィト》を統率者に据えた際に、相性の良いカード・ミニコンボなどをご紹介していきたいと思います!
※尚、紹介するカードは初心者でも手に入り安い安価なモノがメインとなっています。しかし一部お高いものも混ざってますので予めご了承ください
《統率者》薄暮薔薇の棘、ヴィト
②黒
薄暮薔薇の棘、ヴィト / Vito, Thorn of the Dusk Rose
伝説のクリーチャー – 吸血鬼・クレリック
あなたがライフを得るたび、対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーはその点数に等しい点数のライフを失う。
③黒黒:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーは絆魂を得る。
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収録セット:基本セット2021
レアリティ:レア
回復がダメージに!実質全てがドレイン
《血なまぐさい結合》を内蔵しており、ライフ回復に反応して対戦相手にライフを失わせることができます。つまりライフを回復させる効果が実質ドレイン効果になるわけです。
黒のカードはライフをコストに充てることで様々なことが出来るメリットがある反面、払いすぎると自滅しかねないといったデメリットがあります。しかしヴィトを軸にしたライフを回復させる構成にしてあげれば、そのデメリットを補いつつ相手のライフを攻め立てることができるようになります。
・ライフを得る度に点数分のダメージが相手に飛ぶ
・コストが軽いのでキャストが容易
・全体絆魂付与の効果で戦闘面のサポートバッチリ
お手軽2枚の即死コンボが強すぎる…!
イニストラードやジャンプスタートで収録されている《極上の血》とヴィトの2枚で、即死コンボが作れます。この2枚が揃っている状況で『対戦相手がライフを失う』か『こちらがライフを回復する』かすると、2枚で無限ループが発生し、相手のライフを吸い尽くして即勝利できます。
サンプルデッキリスト
ライフ回復を軸にした構成で、デッキレベルは5~6あたりです。無限コンボや即殺カードは少量のみです。
統率者(1)
薄暮薔薇の棘、ヴィト
クリーチャー(24)
酒場の詐取師
才気ある霊基体
闇の腹心
夢貪り
頭巾様の荒廃牙
ロークスワインの元首、アヤーラ
吸血鬼の夜鷲
夜鷲のあさり屋
地獄の樹
墓所の怪異
吸血術士
黒薔薇の棘
撲滅する戦乙女
悪ふざけの名人、ランクル
カタカタ橋のトロール
湿地帯の血唱え
Witch of the Moors
アスフォデルの灰色商人
不和蒔き
虐殺のワーム
夜の星、黒瘴
害悪の機械巨人
ルーン傷の悪魔
血の取引者、ヴィリス
インスタント(6)
暗黒の儀式
sacrifice
吸血の教示者
絶望の力
致命的なはしゃぎ回り
悪意の熟達
ソーサリー(10)
再活性
大群への給餌
悪魔の教示者
不気味な教示者
灰は灰に
毒の濁流
滅び
雪上の血痕
血の貢ぎ物
瀉血
エンチャント(4)
ネクロポーテンス
無慈悲
傷の反射
愚者の知恵の呪い
アーティファクト(21)
魔力の墓所
宝石の睡蓮
オパールのモックス
金属モックス
師範の占い独楽
バジリスクの首輪
太陽の指輪
黒玉の大メダル
稲妻のすね当て
秘儀の印鑑
精神迷わせの秘本
思考の器
炭色のダイアモンド
梅澤の十手
願い爪のタリスマン
バントゥの碑
清純のタリスマン
霊気貯蔵器
失われし夢の井戸
星界の霊薬
ボーラスの城塞
プレインズウォーカー(1)
ソリン・マルコフ
土地(33)
光輝の泉
作戦室
ニクスの祭殿、ニクソス
露天鉱床
ロークスワイン城
ファクレクシアの塔
陰謀団の要塞
陰謀団の貴重品室
ヨーグモスの墳墓、アーボーグ
冠雪の沼(24)
相性の良いカード
ヴィトの誘発効果を狙うため「ライフ回復」に寄せたカードをピックアップしました。デッキ構築の参考にどうぞ
クリーチャー
湿地帯の血唱え
たった2マナとライフだけでどんな呪文も唱えられる!同一ターンに複数アクションが取りやすくなるのはデカイ。
暗影の召喚士、ティヴァシュ
回復した分のライフを支払えばその払った分のデーモンを生成できる凄腕先生。本人が絆魂を持っていて完結した能力なのもイイ
残虐の執政官
効果は対戦相手1人だけではあるものの得られるアドがハンパない!効果も出た時&攻撃時なのでフィニッシャーの1つとして最適
インスタント・ソーサリー
具眼の味覚
墓地肥やし・ドローソース・回復といった具合にリアニメイトとは相性◎生物の墓地回収効果持ちも黒には多いので潤滑油の1枚にどうぞ
むかつき
ライフがあればこそ強気でどんどんめくっていける!インスタントなので隙を少なくハンドを補充出来る点が◎

エンチャント
愚者の知恵の呪い
《血の取引者、ヴィリス》とのコンボ。ヴィトが居ればダメージも飛ぶ。普通にカードを引きまくる相手にくっつけるのも楽しい
侵入者への呪い
クリーチャーを頻繁に出し入れしたり、トークンに寄せたデッキの対戦相手に貼りたい呪い。本体コストが軽いので序盤から貼れちゃいます
アーティファクト
ボーラスの城塞
どんなにハンドが枯渇しようともコレがあればライフを糧にガリガリ掘り唱えていけちゃう!《師範の占い独楽》とコンボ可能
極楽の羽飾り
《悪魔の角》より重いけど全員の固有色に合わせた色を選択できるので回復量が期待できる!マナファクト機能も地味ながら良い
死神のタリスマン
お手軽ドレイン装備。《頭巾様の荒廃牙》で接死に寄せた構成にするなら攻撃時の接死付与がさらに活かせる!低コストで出しやすい
プレインズウォーカー
黒き誓約、オブ・ニクシリス
プラス効果は少し物足りないけどヴィトと相性ヨシ。マイナス効果はブロッカーとして◎大マイナスに到達できれば夢の時間が
土地
陰謀団の貴重品室
こちらも沼カウントが必要になるため、基本沼の採用や《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》を入れて沼率を高めていきたいところ
実戦で使える!ミニコンボ
こと黒単に関しては瞬殺できるコンボが非常に多いです。さらに黒お得意の「カードサーチ」を入れることでコンボの成功率がぐっと高まります。
黒単色コンボの中でも、安価に且つキメやすいコンボを以下でご紹介したいと思います。
誓いを立てた吸血鬼 + バントゥの碑

《バントゥの碑》で1点ドレインして《誓いを立てた吸血鬼》を墓地から何度も唱えるコンボ。公式でも紹介されていたこちらのコンボは《無慈悲な略奪者》とサクり台を合わせれば無限ドレインが完成します。
以下略:誓いを立てた吸血鬼=吸血鬼、 無慈悲な略奪者=略奪者、 バントゥの碑=碑
1. 吸血鬼を唱えてライフを回復
2. 着地後そのままサクり台で生贄
3. 死亡誘発で略奪者から宝物生成
4. 宝物で吸血鬼を墓地から唱える
※碑でコストが軽減されてる
5. 碑の効果で1点ドレイン
6. 以降1へループ
上記の無慈悲な略奪者とサクり台の部分は《ファイレクシアの供犠台》1枚でも代用可能です。
血の長の昇天 + 精神クランク

ブラッドクランクと呼ばれるコンボです。
ヴィトの効果でライフを失わせることが多くなるため《血の長の昇天》に探索カウンターを載せやすいです。探索カウンターが3つ載っている状態で《精神クランク》があればコンボがスタートします。
1. 対戦相手にライフを失わせる
2. 精神クランクが誘発しライフを失った分のカードを墓地へ置く
3.血の長の昇天が誘発し2点ドレイン
4. 精神クランクが誘発し以下ループ
深淵への覗き込み + 地獄界の夢

基本セット2021に収録されたカードからの新しいコンボです。《地獄界の夢》を設置している状態で《深淵への覗き込み》を誰かに打ち込むと、引かせたカードx2のダメージを与えることができるコンボです。
1. 深淵への覗き込みでライブラリーを半分引かせてライフを半分失わせる
2. 地獄界の夢で、引いたカード分のダメージを与える
3. 大体一人敗北させることができる
《不和蒔き》で別のプレイヤーを紐付かせておくと、《地獄界の夢》の効果ダメージをその別のプレイヤーにも与えられます。ただし《深淵への覗き込み》は、ライフを失わせる効果なので《不和蒔き》が誘発しないことに注意。
血の貢ぎ物 + 薄暮薔薇の棘、ヴィト

《血の貢ぎ物》のキッカーコストを《薄暮薔薇の棘、ヴィト》のタップで支払うことで、対戦相手一人を敗北させられるお手軽即死コンボができます。
1. 血の貢ぎ物をキャスト
2. キッカーコストでヴィトをタップ
3. 対戦相手のライフ半分を切上げで失わせる
4. 失わせたライフ分を回復
5. ヴィト誘発で回復分のダメージを飛ばす
ライフの半分を「切上げ」で失わせるのがポイント。どれだけライフがあろうと残り半分のライフもヴィトの回復ダメージで沈めることができます。
ただ、最速で一人だけ沈めるとその後のゲームに参加できず可哀想なことにもなりかねないので、打つタイミングは慎重にどうぞ…!
愚者の知恵の呪い+血の取引者、ヴィリス

《愚者の知恵の呪い》を自身に貼り《血の取引者、ヴィリス》の効果でカードを引き続け、引いたカードで勝利を目指すコンボです。黒単リスペクトの根絶さんが考案したものをご紹介させていただきます。
1. 愚者の知恵の呪いを自身に貼る
2. ヴィリスの効果を起動して2点ペイ+2ドロー
3. 呪い誘発で2点ドレインが2回誘発
4. 1回目の解決で2ドロー
5. 呪い誘発で2回ドレインが―以下2枚単位で引く
6. ループを止めるため頃合いでヴィリスへsacrifice
7. スカージの使い魔で大量の手札を黒マナ変換
8. Xドレイン呪文を唱えて勝つ
このコンボは、途中でループを止めないとカードを引き続けて勝手に自滅してしまうため、頃合いを見計らってヴィリスを戦場からどかす必要があります。
インスタント且つマナを生成できる《sacrifice》をヴィリスへ打つことでループを停止させ、そのマナで《スカージの使い魔》をキャスト。使い魔は手札を黒マナに変換できるため、そのマナを使ってXドレイン呪文を打ち込んで勝つという流れです。
※ただしヴィリスをどかした際、それまでに溜まっていたスタックは解決しなければいけないので、残りのデッキ枚数に注意
《愚者の知恵の呪い》の2点ドレイン効果で、ライフ回復が発生しているため、ここにヴィトが居れば、相手にダメージを飛ばしていくルートも取れます。この場合、相手の残りライフ次第ですが、ループを止めなくてもOKになります。※ヴィリスよりもヴィトの誘発効果が先に解決するようスタックに積む
まとめ

今回の記事では《薄暮薔薇の棘、ヴィト》とシナジーを形成する相性の良いカードをご紹介してきました。
ライフを回復させる系の効果は、ダメージを与える効果に比べて要求されるマナコストが軽かったり、効果量が多かったりと優遇されています。こういった理由からヴィトと組み合わせることで、とんでもないダメージを叩き出すことも出来る…それがこの統率者の魅力です。
また、ライフを回復させるカードはどのようなカードセットにも必ず入っています。新しいセット毎に強化が望めるので、今後も楽しみな統率者になりそうです!

ライフ回復系は弱くみられがち!そんな普段なんでもないようなカードがヴィトによって生まれ変わる瞬間を相手に見せつけよう!

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